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内科・外科・小児科
五味医院
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コラム

悪玉コレステロールをどこまで下げたら良いの?

テレビでも話題の「悪玉コレステロール」ですが、これはLDLコレステロールの事を指しています。

LDLコレステロールが高いと心筋梗塞や脳梗塞のリスクになります。


では健康診断でLDLコレステロールが高いと診断されたとき、どうすれば良いと思いますか?

コレステロールが高いのなら、下げるだけ下げたら良い?

それともコレステロールを下げる薬はメリットが少なく副作用だけだから下げる必要は無い?


LDLコレステロールに関して、様々な方が色々な事を言いますが、こういう一般論で「あなた自身」の事を語るのは不十分だと思っています。

何故なら、悪玉コレステロールの目指すべき値は人によって違うからです。

その人その人のリスクに合わせて個別の目標値が必要です。


例えば同じ45歳男性が同じLDL 140で相談に来たとします。

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Aさんは、LDLコレステロール以外に健診で全く引っかかりませんでした。タバコも吸わないし、家族親族で誰一人心筋梗塞や脳梗塞などを起こした人もいません。

LDLコレステロール以外の他に心配するポイントがないAさんに対し、もし診察しても何も無ければ、私はコレステロールを下げる薬を出す事は無いでしょう。

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Bさんは若年ですが心筋梗塞を起こして血をさらさらする薬がもう開始されていました。家族もみな高度の高脂血症があり心筋梗塞を起こして若くして亡くなっている方も多くいました。

LDLコレステロールだけでは無く他に多くの危険因子があるBさんには、直ぐにコレステロールを下げる薬を使います。

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このように、私がAさんに「コレステロールを下げる薬を使う必要がない」旨を伝えたとして、同じ年齢で同じLDL値のBさんへも「コレステロールを下げる薬を使う必要がない」とは言いません。

特に心筋梗塞を起こした方であれば、LDLコレステロールの値はより厳しく設定しなければなりません※。


でも世の中、一番多いのはAさんのタイプです。そこで一番多い人へ向けたアドバイスがそのまま一般論とされてしまうと、Bさんにとってはとても良くないことになっていまいます。

あなたの目標値をどの程度の値にするか。本当はちゃんと診察しないと分かりません。

あなたの健康は何か個別の数値だけでは決められません。

迷ったら是非一度ご相談ください。


参考文献 ※  N Engl J Med. 2005 Apr 7;352(14):1425-35.

薬の中断に関して

処方薬は原則、必要であるために処方していますので、不要な薬はありません。しかしそれでも休薬したい場合があると思います。

今回は休薬について考えてみましょう。

 

口から入るものは、どんなものでも危険性があります。

一般的な食品、例えばお蕎麦やピーナッツでも、人によっては致死的なアナフィラキシーショックを起こしますし、ご飯も食べ過ぎれば糖尿病になります。

もちろん、薬は作用が強い分、これらのものより副作用が強く出る可能性があります。

特に複数の薬を使っている場合、様々な副作用が出ることがあります※1)。

 

とても大事な事なのですが、自己判断による投薬の中止は非常に危険な場合があります。

止めることで脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなる場合もあります。

調子が悪くなって止めたという場合、その裏に別の病気が隠れているときもあります。

 

薬も数が多いことが全て悪いのではなく、悪いときとそうでないときとある事が分かっています(2)

時に命に関わることもありますので、自分で決めてしまう前に、是非ご相談ください。

薬を止めたいという訴えに対して、当院では怒ったり不当な扱いをしたりするなどという事はありません。

一緒に考えていきましょう。

 

 Ferner RE, Aronson JK . Communicating information about drug safety. BMJ. 2006;333(7559):143. 

 Wise J. Polypharmacy: a necessary evil. BMJ. 2013 Nov 28;347:f7033.

風邪に対する抗菌薬の使用に関して

当院では、風邪に対して抗菌薬を使用することは原則ありません。

一番の理由として、風邪に対して抗菌薬がほとんど効かず、むしろ抗菌薬による副作用の頻度が多いからです。※1

つまり私たちは「念のために出す抗菌薬」によって害が出ることを避けたいのです。

一方で、二次感染など抗菌薬が必要な場合もあります。

心配なときはご相談ください。


参考文献
※1. Arroll B, Kenealy T. Antibiotics for the common cold and acute purulent rhinitis. Cochrane Database Syst Rev. 2005 Jul 20;(3):

当院ではインフルエンザや風邪など日常の一般的な病気に対して、よりよい診療を行うために日々研究を行っています。
そこで当院での診察データを統計的なデータとして解析し、新しい発見があれば論文として発表する場合があります。
情報は個人の特定が出来ないように厳重に管理いたします。
問診票へ名前に署名頂いた場合は形式上同意とさせて頂きますが、研究に同意しない場合は申し出てください。
不同意の場合も不利益になる事は一切ありません。